言語資料検索システム  使用説明

モンゴル諸語と満洲語の資料検索システムは、東北大学東北アジア研究センターのプロジェクト研究
「東北アジア民族文字・言語情報処理ユニット」(2007−2012年度)
「東北アジア言語文化遺産研究ユニット」(2013-2016年度)
および、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の情報資源利用研究センター(IRC)における町田和彦教授との共同研究
「モンゴル語文献資料の電子化利用の研究」(2012−2014年度)
「モンゴル文語・満洲文語辞書の電子化利用に関する研究」(2015-2016年度)
の研究成果によるものです。
システムの開発にあたっては、(株)アルマスからの技術協力をいただきました。

検索システムの特徴

対象言語
モンゴル諸語と満洲語の言語資料を登録しています。
モンゴル諸語には、モンゴル語(モンゴル文字、キリル文字)、オイラート文語(トド文字)、ダグル語、モングォル(土族)語、ドゥンシャン(東郷)語、バオアン(保安)語、東部ユグル(裕固)語が含まれます。
検索可能な文字
伝統的モンゴル文字、キリル式モンゴル文字、トド文字、満洲文字、中国漢字(簡体字、繁体字)、日本語かな漢字、ローマ字で検索することができます。ローマ字には、モンゴル文字、満洲文字等のローマ字転写、中国語ピンイン(拼音)方式のダグル語、モングォル(土族)語等の表記も含まれます。これらの文字コードはすべてUnicodeに準拠しています。
検索システムの種類
テキストデータを検索する「全文検索システム」と、辞書データを検索する「辞書検索システム」の2種があります。いずれの検索システムでも、単語の「前方一致」「後方一致」「完全一致」「部分一致」による検索をすることができます。
複数の辞書を同時に検索
ひとつの辞書グループに登録されている複数の辞書の中から任意の辞書を選択して、それらに対して「串刺し検索」を行うことができます。
民族文字の自動入力機能
辞書によって、キーボードからの入力が自動的に伝統的モンゴル文字、満洲文字、キリル式モンゴル文字に変換されます。それらの文字を正しく表示するために、フォントを提供しています。
原本の画像を表示
検索された単語が原本ではどのように表記されているか、原本の画像を表示させて参照することができます。

登録されているグループと辞書・資料

本検索システムには、テキストデータを検索する全文検索システム(Full-Text Search)と、辞書データを検索する辞書検索システム(Web Dictionary)の2種類があります。

全文検索システム(Full-Text Search)

以下の全文検索システム(Full-Text Search)では、行ごとに分けた全テキスト(文章)を対象として検索を行います。全テキスト(文章)の中からターゲットとする文字列を検索して、それが含まれるすべての行を表示します。
全文検索システムとしては「モンゴル文語資料」「満洲文語資料」「漢字音訳資料」という3つのグループが登録されています。

モンゴル文語資料 グループ

満洲文語資料 グループ

漢字音訳資料 グループ

辞書検索システム(Web Dictionary)

辞書検索システム(Web Dictionary)は、「辞書データ」を対象として検索を行います。「辞書データ」は、見出し語と意味(語釈)、あるいは見出し語と(外国語の)訳語というように、見出し語とそれ以外の情報を分けた形式のデータで、見出し語の検索を優先するように設計されています。
辞書検索システムは、見出し語がローマ字のグループのほか、見出し語が伝統的モンゴル文字、トド文字、満洲文字、キリル式モンゴル文字、日本語「かな」等、いくつかのグループがあります。

ローマ字が見出し語の辞書グループ(K-Dic Multipurpose)

以下のグループは見出し語がローマ字で表記されているものです。言語の種類を問わない、汎用(Multipurpose)システムです。

Dagur グループ

ダグル(達斡爾)語と漢語の対訳辞書が登録されています。ダグル語は中国語のピンイン(拼音)方式によるローマ字正書法で表記されています。

Monguor グループ

土族(モングォル)語と漢語の対訳辞書が登録されています。土族語は中国語のピンイン(拼音)方式によるローマ字正書法で表記されています。

Dunxian グループ

中国語のピンイン(拼音)方式によるドゥンシャン(東郷)語と漢語の対訳辞典です。

Mongol_1 グループ

この辞書グループには、18世紀末から20世紀前半までに編纂・刊行されたモンゴル語の古辞書が登録されています。

Mongol_2 グループ

18世紀前半のモンゴル文語と現代モンゴル文語を比較するための辞書です。

Mongol_3 グループ

古典式モンゴル文語の文献を読むのに有用なモンゴル文語辞典を登録しました。「蒙古語大辞典」と「Kowalewski」は、見出し語(副見出しを含む)を検索して、原本の画像を参照する使い方を想定しています。

Manchu グループ

このグループには、「清文鑑」資料がを登録されています。

Mongolic グループ

このグループは、モンゴル系諸言語で、モンゴル語と共通の起源をもつ語彙を集めたものです。キーワード(見出し語)は、モンゴル文語形(ローマ字転写)で、それに対応するモンゴル系言語の形が国際音声字母(IPA)で表示されます。
モンゴル文字が見出し語の辞書グループ

見出し語が伝統的モンゴル文字で表記された辞書データです。モンゴル文字で検索します。

Mongolian Dic グループ

トド文字が見出し語の辞書グループ

見出し語がトド文字で表記された辞書データです。トド文字で検索します。

Todo Dic グループ

満洲文字が見出し語の辞書グループ

見出し語が満洲文字で表記された辞書データです。満洲文字で検索します。

Manchu Dic グループ

キリル式モンゴル文字が見出し語の辞書グループ(Cyrillic Dic)

見出し語がキリル式モンゴル文字で表記された辞書データです。キリル式モンゴル文字で検索します。

мон グループ

мо-англи グループ

мо-япон グループ

мон2 グループ

ひらがな・カタカナが見出し語の辞書グループ

見出し語が日本語のかなで表記された辞書データです。かな文字(またはカナ文字)で検索します。

Japanese-Mongolian

使用方法

推奨環境

「言語資料検索システム」は、InternetExplorer、Firefox 等の Web ブラウザで使用します。
使用する際の推奨環境としては、OSはWindows7以降、ブラウザは Firefox またはInterneteExplorer9 以降です。

フォントのインストール

「言語資料検索システム」を使うためには、伝統的モンゴル文字、満洲文字、トド文字、およびそれらのローマ字転写を表示するために下記のフォントをパソコンにインストールする必要があります:

フォントのインストールの仕方は、次の通りです。
1.上のフォント名をクリックします。
2.下のように開いた窓で、「ファイルを開く(O)」のボタンをクリックします。


3.次のようなフォントの見本の窓が開いたら、「インストール」のボタンをクリックします。


フォントがインストールされます。
「〜フォントは既にインストールされています。このフォントを置換しますか?」というメッセージが出た場合は、「いいえ」のボタンを押してインストールを停止します。
4.それぞれのフォントについて、同じようにインストールします。
これらのフォントは右のホームページにも登録されています。 ⇒ Fontsのページ

起動

Webブラウザで右のURLにアクセスします:   ⇒http://hkuri.cneas.tohoku.ac.jp/project1/

言語資料検索システムのトップページ

辞書グループの選択

画面左には辞書グループのリストがあります。
辞書グループ名にカーソルを合わせてクリックすると、それぞれの辞書グループの画面に移ります。

辞書グループのリスト

辞書グループの種類と、登録されている辞書のリストはこちらにあります。

辞書・資料名

開いた画面の最上段には、「グループ名」が表示されます。
「辞書、資料名」は色付きの背景で表示されます。



「辞書、資料名」のそれぞれの辞書の先頭のチェックボックスにチェックを入れると検索対象になります。
チェックがない辞書、資料は検索の対象になりません。
全部選択ボタンをクリックすると、辞書、資料のすべてにチェックが付きます。

検索文字列の入力



「検索窓」に文字列(単語)を入力します。
キーボードから入力するほか、コピーした文字列を貼り付けることもできます。
「Enterキー(リターンキー)」を押すと検索が行われます。
検索窓の右端にある「虫眼鏡ボタン」をクリックしても検索が行われます。
「Escキー」を押すと、検索窓の文字列が消去されます。
「虫眼鏡ボタン」の右にある「ゴミ箱ボタン」をクリックしても、同様です。

「全文検索システム(Full-Text Search)」では、検索文字種を選ぶことができます。
「検索文字種」欄には、次の5つの選択ボタンがあります:

いずれかの文字種を選択すると、検索窓では、キーボードからの入力が自動的にその文字に変換されます。
キーボードのキーとこれらの文字の関係は「Help」で見ることができます。


「Монгол 配列」はキリル式モンゴル文字
「Mongol 配列」は伝統的モンゴル文字
「Manchu 配列」は満洲文字
「Todo 配列」はトド文字
これらをクリックすると、キーボードにおけるキー配列と文字の対応が表示されます。

検索方法

検索方法と検索オプション

「検索方法」を指定する欄には次の4つの選択項目があります。


また、「検索オプション」としては、次の2つがあります。

検索結果の表示

検索結果は、行ごとに灰色の線で区切られて表示されます。
行の左端の色は「辞書、資料名」の背景色に対応しています。
検索でヒットした文字列は赤色で表示されます。
検索で「ヒットした件数」はゴミ箱ボタンの右に表示されます。

「満蒙文鑑」「満洲実録」で yabudal を検索した結果

検索がヒットしない場合は NotFound!と表示されます。

複数画面の切り替え

検索結果がひとつの画面に収まらない場合、画面を切り替えるためのボタンが表示されます。
数字は画面の番号を表しています。

数字、あるいは「<」「>」のボタンをクリックすることで画面を切り替えることができます。

1画面の表示行数

1画面に表示する行数を10、20、30(デフォルト)、40、50の中から選ぶことができます。


原本の画像表示

検索結果の右端の欄にページの表示が青色で表示されていれば、画像を利用することができます。
青色の数字をクリックすると画像表示窓が開いて、そのページの画像が表示されます。

ページの数字をクリックすると原本の画像が表示される

画像の任意の位置にカーソルを置いて、マウスの左ボタンをクリックしてカーソルを少し移動すると、画像が拡大表示されます。さらにマウスのホイールを前後に回すと画像が拡大、縮小表示されます。

画像は、移動や拡大ができる


グループ別、言語別のページ

言語資料検索システムの中の個別のグループや言語別のページが設けられています。

辞書検索システム Web Dictionaries

全文検索システム Full-Text Search